叩き彫

山田尚公の新作写真帳

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四方の山ひかりにみちぬ うつそみにかなしきものは一つなりけり

四方の山
9月に入ると雲の変化が多く、日によってはこの歌のように
ひかりに満ちた夕焼けが見られます。
「うつそみにかなしきもの」ですから人の命のはかなさだと思います。
でも残念ながら、そのように解説する事が歌を汚すように思えてしまいます。
せめて、こうやって版画に彫って伝えるだけです。

カメラを持って夕焼けの中に立っていると
通り過ぎる人達が「きれいですね。」と挨拶していきます。
写真で伝わるのは少しですが、それを撮る事が
その中にいるということです。
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あかつきのまどろみ浅くおもふこと旅に死にたる人の安らぎ

あかつきの
この旅は大陸への出征兵士も含まれているような気がします。
旅の詩人芭蕉という意味での旅でもあると思います。
保田師がどう考えての言葉か分かりませんが
8月15日の今日にふさわしい歌と考えました。

いさり火のあまたは泊てぬあすゆかむ海原くらく夜はふけにけり

いさり火の
漁火も原油の高騰で暗くなりそうな気配です。
かつては人工衛星からも認識できるほどと言われた強い明かりです。
人間の営みの力強さの象徴でもあると思います。

勁きひと賢きひともみな死にぬながめまぶしき滅びの姿

勁きひと
熱河離宮廃墟三首のひとつです。
今は避暑山荘と呼ばれ清朝時代の離宮として観光名所になっています。
中国の歴史はネットで検索しても以前にあった記事が消えていたりで
分かり難くいようです。特に日本から見た中国史と中国での学校教育
にはズレがあるようです。それは日本の侵略とか言う事ではなくて
かつての偉大な中国の歴史までを隠しているかのようです。

戦争時下の日本兵がこのように中国の歴史に敬意を払う
おおらかな歌を詠んだのです。それもまた事実だし歴史だと思います。

一年に一度は來よと云ひし子のやさしきことば忘れかねつも

一年に
童心に帰る、夏らしい歌です。
人の心の優しさをここまで表現した歌は他に知りません。

日に焼けし子らのならびてもの呼ばふ小さき驛の心のこれる

日に焼けし
津山の因美線美作滝尾駅には昭和の初めからの古い駅舎が残っています。
これほどこの歌に似合う駅はないと思います。

美作の旅のはじめは院庄櫻を認めし石ぶみを見つ

再掲です。
今度はスキャナーで読み込みました。
美作の
保田與重郎の歌を棟方志功が木版画にしたシリーズを
「火頌(かぎろひしょう)」と言います。
山頭火の句を版画にしたものや、相田みつをの書などとは
一線を画する崇高な世界だと私は思っています。
本来、あらゆる芸術の中でも文学は別物です。
永遠の輝きを持つ唯一のものだからです。
確か、太宰治も保田與重郎こそがほんとうの芸術だと書いていました。
その保田の著作の中でも木丹木母集は素直に読める分かりやすい芸術です。
棟方・火頌は32作で終わりましたが私の火頌は101作を数えました。
より純粋な気持ちを表現できればと思い彫りました。

この歌は当地・津山の院庄・作楽神社を詠んだものです。
津山の者には特別に胸に響く歌です。

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